膝・足の痛みについて
歩行困難につながる膝足痛は
無理に動かさず正しく処置
足の疾患で多いのは膝周辺の痛みです。そのまま放っておくと歩くときに痛み、歩行困難にまでつながりかねません。糖尿病や高血圧などの代謝性疾患、リウマチ性、腫瘍性、外傷性疾患、それに伴う関節の変形など、原因は多岐に渡るので、十分な診察や検査が必要です。痛み・違和感がある場合は早めにご相談ください。
症状
TROUBLE
- 足が痛い
- 階段の昇降がつらい
- 足が腫れている
- 歩くのがつらい
- 膝が痛い
- 靴下がはきにくい
- 膝が腫れている
- 膝が曲げにくい
- 足がしびれる
- 関節がまっすぐ伸びない
- 足がむくんでいる
- 運動をすると太ももやふくらはぎが痛む
代表的な疾患
- 有痛二分(分裂)膝蓋骨
- オスグッド病
- 腸脛靭帯炎
- 足関節捻挫
- アキレス腱断裂
- アキレス腱周囲炎
- アキレス腱炎
- 離断性骨軟骨炎
- 膝窩嚢胞
- ベーカー嚢腫
- O脚
- X脚
- 変形性膝関節症
- 膝蓋軟骨軟化症
- 滑膜ひだ障害
- タナ障害
- 前十字・後十字靭帯損傷
- 内側・外側側副靱帯損傷
- 半月板損傷
- 膝蓋骨骨折・脱臼
- 強剛母趾
- 扁平足
- 外反母趾
- 変形性足関節症
- 足根管症候群
- 足根洞症候群
- 足底腱膜炎
- こむら返り
- 肉離れ
主な疾患
変形性膝関節症
関節のクッションの役割を果たす軟骨が、加齢などですり減って痛みます。膝関節の骨のすき間が狭くなり、骨のへりにトゲのような突起物ができたり、骨が変形したりして生じる痛みもあります。また関節をおおっている関節包という繊維膜の内側に炎症が起きて液体が分泌され、いわゆる膝に水がたまった状態になります。
半月板損傷
半月板は太ももとすねをつなぐ三日月型をした組織で、膝関節をしなやかに動かす役割があります。損傷すると膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりが出て、ひどい場合には膝に水がたまる、膝を動かせなくなるということもあります。リハビリや薬で症状が改善しない場合、手術で半月板の切除や縫合を行います。
膝靭帯損傷
靱帯は骨同士をつなぎ、関節のズレや動きすぎを防ぐヒモ状の組織です。サッカーやバスケ、テニスやスキーなどのスポーツ中に行うブレーキ、急な方向転換などの激しい動きや接触、転倒などで、部分的、もしくは完全に切れてしまうことがあります。靭帯は自然に治ることはなく、痛みが消えても不安定感や膝折れなどが残るため、早めの手術が必要です。
足関節捻挫
足首を内側にひねってケガをする足関節捻挫は、日常生活やスポーツ中にしばしば起こります。膝の痛みに比べると、つい軽くみられがちですが、不適切な治療や放置により痛みが残る他、不安定な足首となってしまい、完治が難しくなることがあります。すぐにきちんとした診断、適切な治療を受けてください。
肉離れ
筋肉が断裂するケガの俗称で、正式には「筋挫傷」といいます。スポーツなどで急に無理な動きをしたときに発生し、炎症や内出血を起こして腫れ、激しい痛みを感じます。部分的に断裂することが多いですが、まれに完全に断裂することもあります。一般的には安静と固定で回復を待ちますが、重症の場合は手術になります。
外反母趾
母趾(足の親指)の先が人差し指のほうに「くの字」に変形し、歩くと痛みがあります。多くは先が細い靴で圧迫したことが原因です。偏平足の方にも多く見られます。ヒールの高い靴だとさらに鼠径部からの力が加わり変形を助長します。保存療法では靴指導、ゴムひもを使った運動療法、装具療法などがあり、重症で痛みに耐えられない場合は手術を検討します。
偏平足
足裏のアーチは、「歩くときの推進力を高める」「かかとをついた瞬間のバランスを保つ」「足が外側に倒れないようにする」などの役割があり、加齢や肥満などでアーチが不足すると腫れや痛み、歩行困難などが起こります。インソールを使用して矯正をします。その他に足の指の曲げ伸ばし、足首をそらすストレッチ、足首を回す、片足立ちなどのトレーニングで改善を図ります。
しびれなどの神経症状
足のしびれは、神経や骨の不具合によって生じる整形外科の領域であることが多いです。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、頚椎症でもしびれはおきます。足根管症候群は内くるぶしの部分で足の裏につながる神経が圧迫され、かかと以外の足裏から足指にかけて痛みやしびれを生じます。
その他膝や足の術前術後の治療
当院では手術は行っていませんが、外部の医療機関と連携し、手術前後の治療を行っています。人工膝関節術、膝周囲(脛骨)骨きり術など、膝に関する手術の前に状態を確認し筋力強化などを行い、手術が終わった後も経過観察やリハビリを並行して行い、後遺症などなく日常生活やスポーツ競技に復帰できるようサポートしています。
よくあるご質問
「膝の水を抜くとくせになる」と聞きますが、本当ですか?
関節のなかには関節液という潤滑油の役割を果たす液体があり、滑膜という組織がこの液体を作っています。すり減った軟骨の破片で滑膜炎が起こると蛇口が壊れた水道のように大量に関節液を放出します。関節の水を抜いてもすぐにたまるのは、滑膜の炎症が続いているということです。原因を突き止め、根本的に解決することが大切です。くせになると言うのは迷信です。
外反母趾は放っておいても大丈夫ですか?
放っておくと変形が進み、タコができやすくなり、歩きにくくなり痛みも増しますので、早めに受診してください。足の指をグー・パーするような運動や、タオルを使用した運動、装具(インソール)をつけて矯正するなどを症状に合わせてご指導させていただきます。