リハビリテーション部の産前産後・小児チームの角南です。
以前、注意欠如多動症(以下:ADHD)についてご説明させて頂きました。
今回も発達障がいに含まれる、自閉スペクトラム症(以下:ASD)についてご説明させて頂きたいと思います。
ASDは主に「社会的コミュニケーションや対人的相互関係の困難」「行動や興味の偏り」の2つの症状があります。原因として、脳の前頭葉といつ部位に機能異常が起こっているためと考えられています。また前頭葉は、人間の「思考」「判断」「行動」「感情」の機能があり、社会的な活動をするためには重要な部位となっております。
また近年では「発達性協調運動障害」(DCD)、「注意欠如・多動障害」(ADHD)、「学習障害」(LD)、「限局性学習障害(SLD)」、などの発達障がいとの関連も示唆されています。
ここからは前述した2つの症状の特徴をまとめたいと思います。
「社会的コミュニケーションや対人的相互関係の困難」には3つ特徴があります。
一つ目には他人の感情の汲み取る事や予測が難しく、思い込みが激しい事や共感性が乏しいことなどがあります。
二つ目には言葉以外の手段を用いて情報を伝達するコミュニケーションが苦手となります。例として視線が合わない、声の大小の調整が難しい、身振り手振りがない、他人と身体的な距離感の調整が難しいなどがあります
三つ目には仲間関係を築くことが苦手となります。
他者からの曖昧な表現や、皮肉やお世辞への理解など、場の空気を読む事に苦手さがでます。
「行動や興味の偏り」にも三つ特徴があります。
一つ目に同じ身体の運動や物の使用、会話を繰り返し行う様な行動が見られます。
二つ目に限定された興味があります。上記二つの例として、私たちとっては小さな環境の変化が苦痛になったり、移行したりが苦手となります。また柔軟に考えることや、繰り返し同じような質問をしたり、好きな事や物へのこだわりが強い傾向があります。
三つ目に感覚過敏、または鈍感さがあります。痛みや音、触感に対して無関心に見えたり、対してそういった感覚に過敏に反応をするといったことがあります。
しかし上記の例に当てはまるからといって、ASDという訳ではありません。お子様によって性格や特徴もそれぞれですのでご注意ください。
上記にもあるよう他の発達障がいとの関連も示唆され、姿勢や運動の未熟さなど多くの部分で共通した特徴を有する場合もあります。
当院ではお子様ごとのペースで、本人様が楽しみながら運動を行います。少しずつできることを増やしていき、本人様の自信や、将来的な社会参加にも繋がっていけばと考えています。
当院で療育を希望される場合、当院に受診して頂くか、専門の主治医からの紹介状、または診療情報提供書が必要です。当院院長が困りごとや発達の経過について問診を行い、お子様に必要な運動の種類を提案・指示します。
当院では、必要に応じて個室での運動も可能となっております。今後受診を検討されている保護者の方やお子様は、事前にご連絡を頂ければ、診察の待ち時間も個室で過ごして頂くことが可能となっております。
Q&A
Q.療育・運動療法は1ヶ月に何回できますか?
A.1回に20~40分の運動を、1カ月に最大6回実施出来ます。
Q.療育・運動療法はどんな曜日や時間に行いますか?
A.回数や頻度については、医師からの指示によって決まりますが、予約の空き状況によって頻度が変更になることもあります。またその日の運動が終わるごとに次回予約をお取り致します。
Q.他の医療機関で療育や運動療法、リハビリテーションを受けていますが、複数の施設でも受けられますか?
A.他院で療育やリハビリを受けている場合、制度上当院との併用ができかねます。各施設から発行される明細表をご確認の上、ご相談ください。
Q.急用などで変更もしくはキャンセルしたい場合はどうすればいいですか?
A.予約変更は可能です。変更が必要な場合は、お早めに担当までご連絡ください。